2014/11/06

「旬」について考える。

小栗旬の話ではありません。あしからず。



最近、「旬」というものを強く意識します。

つまりは美味しい時期という意味です。

自転車が実体を持つ物質である以上、素材や構造に起因する、最も美味しい(性能が発揮される)時期というものが存在します。旬を過ぎれば味も又変わります。

リアルタイムに知っている。というのは非常に価値のあることであり、その経験は他者に阻害されるものではありません。

一方、色褪せない物も存在します。

歴史、生産数、愛、その理由は様々です。様々ですが、色褪せないものには華があります。枯れることもありますが、それはそれで味となります。

EV3を購入し、全て当時の部品で組み上げ、中学生の時に思い描いていた夢のマシーンを手に入れました。10年以上経過しても色褪せないその魔力…。

10年間、脳内で美化されてきた魔性のバイク。常に僕の理想であり、その存在は絶対でした。


そして、今、そのバイクは手元にあります。

先日、カステに乗ってもらう機会があり、彼からも「今のフラッグシップモデルが霞むレベルの性能をこの時代に持っていて、なおかつここまで美しいバイクはこの他に数台しか無いでしょ」という言葉を貰ったのですが、僕もそう思います。

試乗したバイクは沢山あります。オルトレ、オルトレXR、オルトレXR2、インフィニートCVと最近のビアンキのフラッグシップモデルも一通り乗っています。それでも自信を持って言えます。EV3は未だに第一線で戦えると。

カステに乗ってもらった直後、リアのエンドとカーボンの接着部分が剥がれてしまっていることがわかりました。組み上げ直後には無かったガタがあり、ホイールのガタだと思っていたのですが、フレーム本体の不具合でした。トータル100km乗らないうちに本当の置物となってしまったわけです。

決して色褪せる事が無い、魔性のバイクもこうなってしまってはただの置物です。修理することも考えましたが、この美術品に手を加えると全てが失われてしまいそうでこの状態で保存することを決めました。

このバイクが組み上がるまでには色々なストーリーがあります。頼み込んでフレームを売って貰ったこと、コンポーネント一式を取りに行ったこと、敬愛するメカニックの方に組んで貰ったこと、全てが僕にとってかけがえのないものです。

その瞬間瞬間、全て写真を撮っていました。写真とは偉大な物だと再認識する良いキッカケでした。

一瞬一瞬を確かに切り出して残すことが出来る。というのは凄く面白く感じます。


というわけで、最近はカメラにハマっています。

Futabasaurus suzukii@国立科学博物館
Canon EOS Kiss X7, EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
18mm, f/3.5, 1/30, ISO400

奥が深くて凄く楽しいです。

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