あくまでも僕の主観ですが、纏めてみました。
もちろん、一口にステン、アルミ、チタンと言ってもかなりの種類があり、さらに加工によってその性能は大きく変わってくるため、参考程度に考えておいてください。
対ステンボルト(ステンレス製)
メリット
・軽い。
・剛性が上がる。
・腐食しにくい。
デメリット
・水分があるとカジル。
・カジリを防止するため、銅粉入りのグリス(アッセンブリーペースト)が必要となる。
・粗悪品は折れる
対アルミボルト
メリット
・剛性が上がる。
・腐食しにくい。
デメリット
・重い
・水分があるとカジル。
・カジリを防止するため、銅粉入りのグリス(アッセンブリーペースト)が必要となる。
・粗悪品は折れる
という感じでしょうか。
結論から言えば、上質のチタンボルトであれば採用するメリットは大きいと考えています。
この中で最も注目すべきは「剛性が上がる」というメリットでしょう。これは3TかDEDAがチタンボルトを採用した時に公式アナウンスとして発表していたので知っている人も多いと思いますが、チタンボルトは伸び縮みが速いため剛性が上がる…という話だったと思います。
これはオートバイでは一般的なチューニングとして知られており、レーサーバイクのボルトは殆どがチタンで出来ています。ステンレスボルトも一部では使用されていますが、オートバイの高温で常に振動している環境ではアルミとの相性があまり良くない為、お金のあるチームはチタンボルトを使用しています。
この理由から、チタンボルトのメリットが一番生かされる場所はステムだと思っています。クオリティが低いと言われている3Tのチタンボルトで体感出来るレベルで剛性が上がった為、高品質なチタンボルトを使えば激変するでしょう。
更に、腐食しにくいというメリットは自転車乗りにはありがたいと思います。自転車のボルトで一番錆びやすいのはトップキャップのボルト。汗、雨に一番晒される場所です。同様に、MTBのハンドル周りのネジも変えると錆びにくく効果的でしょう。
そして、ブレーキ周りのネジを変えるとブレーキタッチが良くなります。今後、流行ると予想されるディスクブレーキですが、キャリパー周りのボルトをチタンボルトに変えてやるだけで激変します。これはオートバイでは定番のチューニング。自転車ではオートバイほどのストッピングパワーは求められませんが、タッチやフィーリングは確実に向上します。いわゆるNOKON的なカルトパーツなんですが…(;´д`)トホホ…
で、ここまで色々と書いてきていますが、これは全て64チタン(Ti-6Al-4V)というチタンを使用した場合の話です。純チタンはフニャフニャです。ボルトとして利用するなら、64チタンでなければ意味がありません。というか、そうでないならあっという間に破断します。
その辺でポイポイ売られている一本数百円のチタンボルトは確実に純チタンなど、ボルトとしては使えない素材のものであり、化粧ボルト程度にしかならない事は覚えておいたほうが良いと思います。
さらに、恐ろしいことにベータチタニウムのボルトは定番の「タップ立て」によってネジ山を作っているのではないそうです。もちろん「鍛造」によって作られていますが、ネジ山に関しては「転造」です。
実際にベータチタニウムのボルトを触ってみると解るのですが、ネジ山が本当に滑らかで、何時まででも触っていたくなります。Ritusoさんに「これって何時まででも触っていたいよね」と言った所、「既にブログにそう書いてます(キリッ」とw
うん、 Ritsuoさんも僕も完全な変態ですね…。
ベータチタニウムではボルトの形状、サイズ、長さ全てがフルオーダー可能という事で、現在何処のパーツに使うボルトをオーダーするか悩んでいる所です。近いうちに藤原ヱンヂニヤリングとしてデモバイクを組もうと考えているのですが、それにふんだんに奢ってやろうかと。The 厨二バイク、企画段階ですが着々と構想が練られていっています。
次の記事はこちら
チタンよりもアルミのほうが金属同士のくっつきが起こりやすかったはず!
返信削除アルミと何かにもよると思いますが。。
たしかアルミとその他金属で固着は異常なほど起こりやすかったと思います。
たかはしんごさん、どうもです。先日は大勢で押しかけたのに丁寧に対応してくださって、ありがとうございました。
削除そうなんですよねぇ…。実はアルミもステンレスも意外と電触が起きやすい素材ですねw。アルミとカーボンって最悪だった気が…。
そうやって考えるとチタン…悪く無い…いや、最強ですなwww
物性について。チタンがどーたらこーたら言ってたと思うけど、調べなおしてみると6-4は優秀な部分がありました。すんません。
返信削除多分自転車に使われるステンボルトのステンはオーステナイト系だと思うんですけど(SUS304とか?)、引張は断然64Tiの方が上でした。ただヤング率だけちょっと様相が違って、こちらの方で私は覚えていたようです。
でもそう考えると、64Tiで剛性上がるってどういうことなのかしら・・・とも。私のようなド素人の考えだと、剛性はヤング率で見るんじゃないのー???とか思っちゃって、軽く混乱してます。(ヤング率×断面2次モーメントで考えちゃ駄目かな?ネジなら断面2次モーメントは一定だと考えて・・・)
コメント欄にここらへんのメカニズムを解説してくれる人が来てくれないかなー、なんて(笑)
そうなんだよねぇ…
削除僕も64で剛性が上がるってのがイメージとしては何となく納得出来るんだけど、科学的な根拠がwww
一応、ステンレスボルトの素材が明確に解らないから、粗悪なステンレスボルト比で考えると多分64のほうがヤング率も高いんかな?とか考えてたり…。
僕のブログにもそういう事に詳しい人が来てくれると良いんだけどねぇ…
単純にクロムモリブデン鋼のSCM435と引張強度は似たようなもんのTi-6Al-4Vですが、ヤング率は半分の114Gpaしかありません。
返信削除これは単純に言って剛性は低いんですが、剛性が低いくせに引張強度は強いという『高強度低剛性』というある意味パラドクスな特性を持っています。
ものすごく乱暴な例えをしますと。
SCM435=割り箸
64合金=ゴム棒
この割り箸とゴム棒を同じ応力で曲げた際に割り箸って『ビリビリビリ』って振動しながら曲がって行きますよね。しかしゴム棒は折れる=切れる寸前まではそのような振動は起きません。
さて、その折れる寸前のものの力を解放した時に割り箸とゴム棒はどうなっているでしょうか?
割り箸は曲がったまんまでゴム棒は戻りますね。
更に曲げの力が掛かった時に戻ろうとする力はどうでしょう?
剛性が低い。
しかし引張強度はある。
だからこそ締め込んだ時に戻ろうとする力が多く発生し、
締結力は安定しやすくなりますね。
結果としてどういう状態が生まれるかというと
『組み込んだ部材の剛性が上がる』
と、いう結果が多く生まれますね。
この辺はあとはTAB6400のボルトを体感して頂くのが早いかと思われます。
匿名さんどうもです。丁寧な説明、ありがとうございます。
削除"剛性が低いくせに引張強度は強いという『高強度低剛性』というある意味パラドクスな特性"という内容、非常に解りやすい説明で非常に納得出来ました。
これは採用するしか無い…と思います。チタンボルト…欲しい…(;・∀・)
縦弾性係数が下がると、伸びの変化に対して軸力の変化が小さくなるから、締結力は安定するが、逆に言うと、外力に対して変形が大きくなる。
返信削除これで締結部材の剛性が上がるとは考えがたいなー。
なんか矛盾してますよね。
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