2014/05/01

Bianchi XL EV3 Carbon(その1)

( ^ω^ )どうしてこうなった!?
*画像はイメージです


昨年8月に訪れたお店で見つけたEV3…3月末に再訪したら未だ残っている…

めちゃくちゃ悩みました。

自転車を始めた時から欲しかったモデル、カラーであった事に加え

最小サイズでフレームサイズバッチリ


元々ビアンキは大きなサイズが多いメーカーなので、小さいフレームサイズというだけでアレです。しかも、リーチを計算してみるとNRSフィットでの推奨サイズとほぼ同じ。これは買うしか無い。ということで買いました。


はい。買いました。Ω\ζ°)チーン

フレームサイズの話をする際、よく目安となる仮想トップチューブ長ですが、リーチという考え方で見た場合は全く無意味な議論となってしまいます。

シートアングル(シート角)、ヘッドアングルなど、BB中心に考えた場合、ヘッドチューブの上端が来る場所は多くのファクターによって左右されます。その辺りの話は昨年のサイクルモードでシマノのフィッティングシステムを説明していた方とお話して、僕の考え方が間違っていないことを再確認したので後日記事として書こうと思っています。

話をEV3に戻します。元々、EV3はEV4のバックをカーボンに変えたものであり、市販仕様は全てカーボンバックだったと思っていたのですが、カタログを確認したところ2003年にフルアルミのEV3が販売されていました。

つまり、EV3にはフルアルミモデルとカーボンバックモデルの2つが存在したことになります。

そして、カタログを見ていて気がついたのですが、2002年にはEV2とEV4のラインナップになっているんですね。EV3は2003年からのようです。2002年に存在するXL BORON=EV3かと思ったのですが、2003年のラインナップを見ると違うようです。一体何が違うんでしょう?
→2014/08/05追記:XL BORONはボロン配合の鉄フレームなので全然違いますね。僕のミスです。

以前、EV→EV2→EV3→EV4と書いた記憶がありますが、これは完全な間違いかもしれませんね。正しくはEV→EV2,EV4→EV3なのでしょうか?この辺りに関してはネット上にもあまり情報が残っていなく、もうちょっと調べてみる必要がありそうです。

EV3に使われている技術をフレームに貼られているラベルを用いて確認してみましょう。
ADVANCED ALUMINUM TECHNOLOGY
SWQ7K
HEAT TREATMENT CARBON EV3
TRIPLE BUTTED ALUMINUM
Bianchi ENGINEERED

SWQ7Kというのはチューブナンバーのようで、デダチャイとビアンキのコラボレーションによるチューブだそうです。EV3,EV4,FG Liteは全て同じチューブを使っているようで、ネットを漁ってみると面白い書き込みが見つかりました。

La Taverna Dei "bianchisti"!! (parte 2)

Parlamento Ciclista · Extras · La Tienda y el Taller

FG Liteと1885に関する記述がチラホラとあって面白いですね。

更に調べていくと、MTBでも使用されているチューブのようで、ビアンキのフラッグシップモデルが使っていたチューブと判断して良いようです。

組成に関しては、先ほどのページに次のような記述があります。亜鉛、マグネシウム、スカンジウム、ジルコニウムを添加したと書いてあるので、7000番系アルミにスカンジウムを添加したものなのでしょう。(ケイ素の添加が無いので、6000番系では無いはずです。)
Il telaio era l'erede diretto del modello EV4 Hyperalloy, costruito con tubazioni leggerissime in lega di alluminio a triplo spessore SWQ7K sviluppata in collaborazione con Dedacciai (la lega è la stessa del D7.9 con composizione di zinco, magnesio e alcune terre rare particolari quali scandio e zirconio ma i tubi molto sottili non sopportano l'idroformatura e hanno una trafilatura tradizionale dal disegno esclusivo Reparto Corse).

スカンジウム合金というのは2000年代前半から中盤にかけて、最強のアルミ素材として持て囃された合金です。スカンジウムがメインでは無く、アルミニウムにスカンジウムを添加している点に注意です。
アルミフレームのフラッグシップモデルの重量がフレーム単体で1300g前後だった時代に、スカンジウム系のパイプを用いたフレームはフレーム単体で1000g前後の軽さを誇りました。怪しいパイプが数多く売られていた時代ですが、カーボンフレームの台頭によりその流れは一気に途絶えました。今もそういったパイプで組まれたフレームを購入することは可能ですが、入手性は良いとは言えません。

言うまでもなく、寿命の短さは特筆すべきレベルです…。2003年のツール・ド・フランスでチームビアンキのウルリッヒが計7~8本のフレームを持ち込んだという噂があるくらいです。ホビーユーザーレベルでもその寿命の短さは体感出来そうです()
→2014/08/05追記:その3で書いてますが、一概に寿命が短いとは言えないようです。

HEAT TREATMENTというのは、時効硬化によって変性するというアルミの特性を嫌って、熱処理によって強制的に時効硬化させてしまうという手法です。これによって溶接以前に発生するストレスを無くす狙いがあるようです。10年ほど前に読んだ文献では、この加工を施しているのはビアンキだけ。と書いてあった記憶がありますが、現在では一般的な手法では無いでしょうか?

次のラベルはこれです。
Bianchi Reparto Corse
STRUCTURAL FOAM INJECTION
WARNING
NO CHEMICAL POLISHING

ストラクチュアル フォーム インジェクションとは何ぞ…。発泡ウレタンのようなものが封入されているのでしょうか?ちょっと調べたところ、フレームの強度を上げる為に封入されているようです。コンセプトストアの記事を漁ってみると、"一部フレーム内部にウレタンフォームを封入。これによりBB周囲辺の剛性を高めバイブレーションを吸収します。"とあるので、BB周辺に発泡ウレタンが充填してあるのでしょうか?

シートチューブから覗くとBBシェルを発泡ウレタンがカバーしているように見えるのですが何がどうなっているのやら…。BBシェル側にウレタンを注入した跡があるので、多分溶接後にBBシェル側から注入しているのでしょう。溶接時に出来る隙間を発泡ウレタンで埋めるようなシステムかな?と思っているのですが、詳細は不明です。

STRUCTURAL FOAM INJECTIONに関しては、EV3,EV4,FG Lite, OETZI, S9 MATTAで使われている技術だというのは解っているのですが、何年から使われているのか…というのは更に調べる必要がありそうです。

と、調べていくと色々な事が解ってくるわけですが、調べても解らない事もあります。

・EV3、EV4の違い

・カーボンバックとは()

・モデルナンバーがEV2→EV4→EV3と変遷した理由

個人的に幾つかの文献を漁ってみる予定ですが、もし詳細をご存知の方がいらっしゃれば教えて頂けると幸いです。

書き始めたらあまりに長くなったのでその2に続く…

2 件のコメント:

  1. FG Liteは06年モデルまではヘッドの規格がそれまでのEV4などと同じくゼロスタックでしたが、07年以降からはカンパのヒドゥンと同一規格のインテグラルになっています。変更された経緯などについては何かご存知でしょうか?

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    1. ヘッドパーツに関して…というよりはヘッドに関してですが、多分部材の入手性やゼロスタックヘッドの破損が多発したから。では無いでしょうか?

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