2022/09/28

Bianchiのミドルグレードカーボンモノコックレーシングモデル

ミドルグレードという括りだと、このようなTLが描けそうです。

2004 XL Carbon(モノコック)
500,530,550,580,610

ヤンさんは随分前に亡くなられたとお聞きしました。
大変魅力的な自転車で、痛チャリ史上最高傑作だと今も思っています。









コンフォート寄りのフレームであり、剛性は無いという話を当時聞いた記憶があります。
Bianchi L'UNAのベースになったモデルです。2004年はアレッシオにEV3とS9 Mattaを供給しており、クライムステージのみでEV4が使われていました。2003年は使われなかったEV3carbonですが、2004年には供給されていたようです。

2007年からB4Pという括りでオールラウンドバイクが分類されるようになったという話も残しておきます。
”パフォーマンス重視の設計ですが、広範囲に渡って融通が利くよう作られていますので、レースのみでは無く様々な用途に使用することが出来ます。”とされていました。当時の最軽量フレーム(HoC)は軽量に振った為剛性と耐久性が不足しており、フラッグシップモデルが常にレースバイクとしてのフラッグシップモデルでは無かったというのは時代とセットで覚えておきたい所です。2003年のTeamBianchiはクライムステージではEV4を使用し、それ以外のステージではEV3を使っていたと言われています。また、選手用に様々なサプライヤーに作らせたチタンフレームも用意されており、こちらは今後別記事で取り上げたいと思っています。

とりあえず、昔からのレースファンはこのように覚えておいて貰えれば大丈夫そうです。
HoC:EV4の流れを組むFG Lite+超軽量カーボンバイク928 Carbon SL
B4P:EV3の流れを組むFreccia Celeste+S9 matta+SL3の流れを組む1885
C2C:ML3の流れを組むVia Nirone7+928 Carbon
EV→EV2→EV4という流れとEV3というモデルはどうやら微妙に違うようですね。資料が集まりきった時に記事にしたいと思っていますが、Bianchiは当時の軽量アルミフレームを作る流れで何故かEV系のナンバーを1つ飛ばし、2001年にダイレクトに2から4へ行ったようです。この流れはOltreで継承されましたが、XR3がレーシングバイクなのかどうか…というのは大きな疑問が残ります。EV3は間違いなくレーシングバイクですし、フラッグシップモデルであったと思っています。



2008 928 CARBON T-CUBE(tube to tube)
490,510,530,550,570,590,610,630+custom

2010年に928SLが出るまでBianchi歴代ベストバイクだと言われていたモデルです。
この年は928 Carbon SLと928 CARBON T-CUBEが供給されていたようですが、殆ど全員がより剛性の高い928 CARBON T-CUBEに乗っていたようです。当時は何故こんな事が起きているのか謎だったのですが、928 CARBON T-CUBEはtube to tube製法を採用しているためカスタムジオメトリに対応していたというのが一因になっているような気がします。
2008年はTeamSkyが出来る前のイギリスナショナル系チームのバルロワールドに供給していた為、その後マイヨジョーヌを獲得するGとフルームが初のツール・ド・フランス出場時に乗っていたという面白いヒストリーがあります。


Geraint Thomas

Christopher Froome


2009 MONO-Q
50/53/55/57/59





https://www.cycleurope.co.jp/2010/bikes/road/b4p/mono-q_shimano_ultegra_double.html

で、今回この記事を書こうと思った理由がこの写真です。
東京オリンピックで劇的な逃げを決めて金メダルを獲ったキーゼンホーファーが2016年にレースに出ていた時の写真です。2009までがこのデザインで、2010年からBianchiは新しいデザインを採用しているので、明確に2009年モデルだと断言出来ます。
3TのFUNDA PROにフロントフォークが差し替わっているのが大きな特徴であり、Kiesenhoferの公式サイトにある写真を見るに、2014年の段階で既にフォークが差し替わっています。2010年にデュアスロンやトライアスロンをはじめたそうなので、その頃からずっと乗っていたのかもしれません。2014年まではコンポはアルテグラっぽく見え、2015年にSRAMに載せ替えたようです。パワーメーターはPOWER2MAXですね。当時、10万前後の価格で当時としては価格破壊を起こしたモデルを使っていたようです。興味深いことに、ペダルはSpeedPlayを使用していたようです。S-Worksのシューズで下駄(スペーサー)を噛ましているのでSpeedPlay教では無さそうですが当時流行りましたね。
その後、2017年はLottoに所属していたのでリドレーに乗っていたようですが、
2021年の東京オリンピックでは非常に興味深いアッセンブルをされたSCOTTで優秀しており、ノンプロとして自分の好みの機材を最大限選んだのかな?という印象を受けます。ハンドルが高剛性の社外品、クランクのみRED、パワーメーターはFavero Assioma Duo power meter、RDはセラミックスピードのプーリーケージになっています。ホイールのXENTISはオーストリアブランドなので、オーストリア繋がりで供給を受けているようです。バトンホイールは当時最も空力学的に有利と言われていた記憶がありますが、通常のカーボンリムモデルは所謂良く出来た中華カーボンだったはずです。
オリンピック後はFACTORから特別塗装のバイクを供給されており、ガチャガチャコンポでは無くなっています。現在はアマチュアとプロのいいとこ取りが出来ている感じで見ていて安心できますね。
2014

2015

2016
2021



2011 Sempre
2012年にColumbia Coldeportesへ供給



2013 Sempre Pro
Androni Giocattoli Venezuelaへ供給。ハイエンドのOltreも供給されていたようなのですが、エースのフランコ・ペッリツォッティはSempreProに乗っています。当時、ヴァカンソレイユでは全員がオルトレに乗っていた記憶があり、ペッリツォッティが剛性感が良いというコメントをしているので、この時代までセカンドグレードのほうが剛性があるという伝統?が守られているのが面白いですね。

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