2013/08/07

Rolf Prima TdF4SL Carbon tubular

シマノ鈴鹿のTTTで使いたいんだけど、何か変なホイール無い?w
と呟いたら、こんなホイールがチタンボルトと一緒に送られてきました。
(; ・`д・´) ロ,ロルフダッテー!! (`・д´・ ;)

まず、持って感じるのは重量でしょうか?軽いですね。リムハイト42mmで前後1165gというのは相当軽いです。自分が何時も使っているレイノルズR2が前後重量1140gなので絶対的な軽さは感じないのですが、リムハイトが10mm高い事を考えると驚異的な軽さでしょう。

しかし、重量よりももっと注目すべき点があります。

空力です。

漕ぎだしてすぐ「あ、これヤバイ。」と感じました。何の抵抗も無くホイールが回って行きます。普通、如何にエアロ効果の高いホイールを使ったとしてもフロントホイールの存在感は消える事がありません。回ってる〜という感じは常にあるわけで、空力の良いホイールほどその感覚が希薄になります。有名なフラッグシップホイールは殆ど試乗させてもらったことがありますが、断言します。前輪に関してはこのロルフTdF4SLよりも優れたホイールは今まで使ったことがありません。

例えば、このホイールよりももっと高い剛性を持つフロントホイールは事実存在します。TdF4SLのリムはかなり剛性があります。が、スポークの本数は部材の量を考えるとネガになり得ます。それこそエアロスポークを使用し、同等のリム剛性を持つリムを均等な20Hパターンで組めば簡単にこれ以上の剛性は出るでしょう。しかし、そういう手法を用いて剛性を上げたとしても重量が上がり、空力は悪くなり、出来上がったホイールは本当に優れた特性を持つようになるのか?というのは疑問に感じるところです。というか、そんなホイールはクソでしょう。

Rolfの凄さはそのリム形状、リム重量、スポークパターン、ハブのフランジ幅といったホイールのデザインの際重要視される部分全てがRolf専用設計になっている事でしょう。スポークは普通のJベンドスポーク(首折れ)を使用していますが、これはFAQの中でも言われているように寿命向上の為の最適解なようです。これは、Rolfがこの特殊なスポークパターンを用いてホイールという構造体を成立させている所にその理由が存在します。

元々、Rolfの採用しているスポークパターンは、スポークからリムにかかる応力をなるだけ近い場所に配置し、リムの変形を最大限に抑え、ホイールとしての縦振れ/横振れを最小限に抑えるのを目的として発案されたと聞いています。しかし、そのスポークパターン故、剛性を出す為にはスポークテンションを上げる必要性が出てきます。そして、剛性面で不利になるスポークパターンで戦闘力のあるホイールを成立させる為、ハブのフランジ幅を拡大し、完組ホイールとしてはほぼ限界とも言える幅まで張りだしています。その幅はフランジの内内で77.57mm。参考として手持ちのホイールのフランジ幅(内内)を挙げてみると、レイノルズR2が65.96mm、ZONDA(MY2010)は67.73mm。とRolfのフランジ幅が異常に広いのが解ります。


フランジ幅は広くなるとホイールの横剛性が上がり、狭くなると縦剛性が上がります。Rolfはスポークテンションが高い為、縦剛性は十分だと判断し、横剛性確保の為にフランジ幅を広げているのでしょう。コーナーで車体を倒しこんでいっても、ダンシングでバイクを強引に振ってもホイールがよれる感覚は全く無いのはこういった一つ一つのファクターを積み上げることによって得られているのでしょう。

リムの形状は最近のトレンドを採用し、というか最先端を行き、超ワイドリムになっています。実測値は26.34mmと公称値の26mmとほぼ同一です。又しても手持ちのホイールを実測してみると、レイノルズR2が21.21mm、Zonda(MY2010)が21.34mm、おまけのVento(MY2005)が19.62mmという数字が得られました。市販されているホイールのリム幅は大体19mm〜21mmとなっており、ZIPPはワイドリム化戦争で先陣を切って27mm幅のリムを発表するわけですが、Rolfもその波に乗っているといえます。

ワイドリム化に関してはメカニック的な視点からは正直めんどくせぇなぁ…と思うわけですが、性能を考えた場合は避けて通れない道でしょう。リムの断面積を増やすことで軽量化と高剛性化が測れ、なおかつ空力も良くなるのであればやらない理由がありません。

というわけで、Movementのりつおさんの好意でお借りすることが出来たRolfですが、正直良すぎてアレです。自分の持っている機材が一瞬で霞むアレ。とでも言いましょうか。この感覚を覚えたのは自転車を始めてから今までの間に数えるほどしか受けた事が無いわけですが、今回受けた衝撃は間違いなく最大の物でした。ぶっちゃけ、値段が高いから要らないや。と思っていたのですが、この性能が手に入るのであれば頑張っちゃうか?行っちゃうか?とか考えだしたのでアレです。僕はこのホイールの虜になりました。

文字ばっかりで読んでいてツマランとの意見を頂いたので写真でもw
TdF4SLを履いて実業団レースを走るりつおさん(photo by NORIさん

こうなるとリアホイールも興味が出てくるわけですが、今回はフロントのみをお借りしたのでカタログ以上の事は何も言えません。ラージフランジハブを採用していますし、理論的にはかなり走るリアホイールのはずです。一度何処かのタイミングでお借りして使ってみたいと思います。

スペックはこんな感じです。

重量:F490g/R675g(Total1165g)
スポーク数:14H/16H
スポーク:Sapim CX-Ray
リム高:42mm
リム幅:26mm(デルタリム)
ハブセット:TdF5.5(セラミックベアリング)
フリーハブ:チタンCNC削りだし
クイック:チタン
定価:前後セット 243,000円

綺麗な写真はムーブメントのブログで見てみてください。

いやはや…シマノ鈴鹿が楽しみになってきましたw(今月の走行距離0km

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