2012/12/07

2009 Campagnolo ZONDA Silver

見た目に惚れて買ったホイール。

乗り味はなぁ…。う~ん…。


2007年から2009年の3年間だけ販売された極太ステンレススポーク仕様のZONDA。このシルバーカラーに一目ぼれして購入。現在、決選用という名目で写真撮影用のホイールに成り果てています。

2006年当時の詳細なデータが手元に無い為、以下の記述は間違っている部分もあるかと思います。間違っていたら教えて頂けると幸いです。

大体2006年から2007年のモデルチェンジで、カンパニョーロがフルクラムを立ち上げると同時に、アルミリム採用モデルの上位機種はアルミスポークとなり、ZONDAとレーシング3がステンレススポーク採用のモデルとしては最上位モデルとなりました。これは、言い方を変えればミドルハイトのホイールではステンレススポークのフラッグシップモデルがZONDAとレーシング3であると言えます。(楓さんにニュートロンウルトラは?と指摘されました(;・∀・)あれも素晴らしいホイールです。)カンパニョーロがアルミスポークを採用した理由は”伝達効率を上げ、軽量化する”ためであると言えますが、この当時のカンパニョーロはステンレススポークでも同様の設計思想を持っていたのか、一般的なエアロスポークよりもさらに横幅の広いウルトラエアロスポークを製造し、採用していました。自転車を横方向から見て幅の広いスポークは力学的に駆動方向への変形量が少なく、パワーの伝達効率が高くなります。が、その反面、縦方向への強さは伝達効率の向上量と比べて、断面が丸状のスポークからの性能向上量が少なく、別の見方をすればバランスが崩れていると言ってしまっても良いでしょう。しかし、カンパニョーロ社は縦合成の上がるG3スポーキングを採用することでこのネガを消そうとしています。確かにやりたいことは解るのですが、個人的には横方向の剛性が全く足りていないと考えています。最終的に通常乗車時の効率を向上させることだけ考え、あまり数字に表れない横~斜めの捻じれ剛性が足りないなぁ…と。ケイデンスの高い、綺麗なペダリングが可能な人なら横方向への剛性不足はあまり問題になりませんが、僕のようなダンシングを多用する、トルクをかけて走る人間には剛性不足が非常に気になるところです。

【追記】と書いたわけですが、友達に「図が無いとわからん!」と怒られたのでちょっと描いてみました。
某ブログを見習って手書きですw。

が、このスポーキングによってスポークの本数を減らすことで後述する空力性能の良さを実現している為、ホイールの性能はゲームでのパラメーターの割り振りと同じなんだなぁ…と。

ちなみに、同時期に販売されていたレーシング3は2to1スポーキングを採用することで、ZONDAのネガを完全に払しょくしています。個人的に、ここ5年以内にカンパニョーロ社/フルクラム社から発売された最強のホイールは2007年から2009年のレーシング3だと考えています。

が、個人的にはそういったパワー伝達効率が云々という話よりも、このホイールの素晴らしさは別の部分にあると考えています。

まず、ハブ。定評のあるレコードハブを採用しており、更に完組用の玉当たり調整の簡単な構造になっています。これが恐ろしいほど回ります。カンパニョーロ社純正のグリスと組み合わせることで、この世のものと思えないような滑らかな回転を手に入れることが可能です。処々諸々の理由でセラミックベアリング否定派ですが、はっきり言ってセラミックベアリングを入れたホイール並みに回ります。

次にエアロ効果の高さ。Cx-Rayと比べると形状的に不利だと思っており、あまり期待していなかったのですが、恐ろしく空気抵抗の少ないホイールです。フロントホイールをZONDAにするだけで50mmハイトのカーボンディープ並みに速度が上がっていきます。スポークの空力に関してはこちらのページに詳しく載っていますが、明らかにスポーク単体で見ると空力学的には不利で空気抵抗は多いと言えます。リムハイトもフロントに関しては24mmしか無いにも関わらず、30km/hを超えた辺りからヌルヌルと加速していきます。スポークの本数が16本しか無いのもプラスに働いているのでしょう。さらに、リムの幅が20mmあることも関係していると考えています。自分が所有している2005年式のVENTOと比較するとリム幅が約1mm広くなっていますが、このことも空気抵抗の少なさに寄与していると考えています。ある意味、ZIPPの空力理論をコソッとやっているのかなぁ…と考えています。

これに関しては僕だけでは無く、僕のZONDAをフロントに入れた人は全員同じことを言っているので信じて良いと思いますw。

最後に見た目。個人的にはめちゃくちゃカッコいいと思っています。販売されていた当時、同じデザインのシルバーユーラスがBianchiのショーモデルに必ずセットされていたのですが、実物を見るとよく解ります。凄くカッコいいホイールです。自分の自転車の写真を撮るときは必ずZONDAを入れて撮影していますw。

しかし、そういった事を差し置いても我慢出来ない事が一つあります。

それはブレーキの効かなさ。

このスポークを使用し、求める性能を確保するにはリムの剛性が重要だったのでしょう。カステとPAXのキクちゃんもよく言いますが、カンパニョーロ社のG3スポーキングシステムを成立させるにはリム剛性が重要なファクターになってきます。このモデルに関してはリム剛性を上げる為、素材として使用しているアルミニウムが非常に硬いと感じました。よって、ブレーキが効かない(リムの摩耗は全く進みません)ホイールになってしまったのだろうと考えています。これに関しては、地元のショップでも「MTBのディスクブレーキでもローターの硬さによってブレーキの効き方は大きく変わるよ。このリムも柔らかいか硬いかのどっちかじゃない?」と言われており、ほぼ確実だと考えています。

今まで試した組み合わせとしては、カンパ純正シューで微妙な効き、シマノのC2シューはダメ、C3はそこそこ効く、swissstopのGHPⅡはまぁまぁ。という感じでした。


ということで、個人的にはフロントは最高、リアは微妙だと思っています。そんな考えから自分が一時期乗っていたロードではフロントホイールのみ使用していました。リアは重い事も考えると、やはりこのホイールはフロントの素晴らしさが大きいだろうとw。リアに関してはMAVICのアクシウムのほうが好みでした。

もし、この時代のZONDA/レーシング3のフロントホイールが手に入るのであれば買っても損では無いと思います。いや、買うべきでしょう。アルミスポークを使用したホイールに懐疑的であることは以前も書いた通りです。ZONDAもレーシング3も良いホイールです。

2010年モデルからはスポークがCx-Rayに変わり、インパクトが減っていますが総合的な性能は向上しています。当然重量も減っています。が、僕は選びません。2010年以降のZONDAを買うならPAXオリジナルの完組アルミレーシングホイール(5万円弱)を購入します。この辺りに関しては又後日、別の記事で。


ちなみに、同じZONDAのリアホイールについてのカステブログはこちら

カステ、フロントを持ってないんですよねぇ…。かわいそうに…(ニヤッ

*その後、もうちょっと前のユーラスが手元に来ました。スポークが違うだけだと思っていたのですが、色々違うようです。


*参考までにZONDAのスペックをまとめておきます。
リム
(フロント) アルミ、高さ24mm、幅20mm
(リア) アルミ、高さ28mm、幅20mm
スポーク
(フロント) 16本、ウルトラエアロ
(リア) 21本、ウルトラエアロ
ハブ
アルミ *10s専用
重量
(フロント) 675g
(リア) 935g
(トータル) 1610g
定価
2007
カンパ9-10S/93,765円、HG10S/91,665 円
2008
カンパ9-10S/98,490円、HG10S/96,180円
2009
カンパ9-10S/101,325円、HG10S/99,120円

2 件のコメント:

  1. スポーク
    ×(リア) 24本、ウルトラエアロ
    ○(リア) 21本、ウルトラエアロ

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    1. 匿名さんどうもです。
      ( ゚д゚)ハッ!やらかしました!!!訂正しておきます:(;゙゚'ω゚'):
      ご指摘ありがとうございます。

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