2022/08/17

だからお前の写真は下手なんだ(その2;焦点距離毎に撮れる構図は1~2個しか無いことを把握する)

 この辺りから徐々に雲行きが怪しくなってきます。
前回は視線誘導の話でした。


ここまでの2本の記事で
・良い写真を見ること(インプットの重要性)
・伝えたい主題を決め、それのみを写すこと(ポイントを絞った簡潔なコミュニケーションを心がける+写真を視る層に合わせた主題選びをすること)
・もし主題以外も写し込むのであれば人間の視点を誘導していくこと(明確な意図を持って構図を作ること)
の3点を書いてきました。

今回はそこに加えて、焦点距離毎に撮れる構図は決まっているから、撮りたい画に応じて焦点距離を変えないといけないという話です。

長らく、16-35F4L+24-105F4L+70-200F2.8Lという組み合わせでズームレンズを持っていましたが、途中から単焦点レンズ数本だけ持って歩くようになりました。中望遠は135,85,100、広角は35,24、望遠は300mmと使ってきました。

何故ズームレンズが不要になるか…というのは中々わかって貰えない所なのですが、ある一定以上のスキルを保つカメラマンはズームレンズにあまり頼らないはずです。

これは個人的な見解であり、一般的に言われているのを聞いたことが無いのですが、ズームレンズとはテレ端(広角レンズにおいてはワイ端)が基本となっており、引ける200mm/105mm/70mm/35mm or 寄って不要な情報を消せる16mmだと思っています。

つまり、基本的には200mm,105mm,70mm,35mm,16mmで撮り、寄りきれない部分や引ききれない部分をズームバック/アップで補うということです。

また、この時ズームという選択肢は最後まで留置しておくべき要素であり、まずは自分が撮影する場所を変えることで構図を作ることが最も重要だと考えています。つまりは、被写体が動いた時に刻一刻と変わる要素をズーム機能で調整することが出来るということです。

この感覚を身に付けるためには単焦点レンズでのトレーニングが不可避で、これが古来から”単焦点レンズは上手くなる”とされている所以だと思っています。


で、ズームレンズに関するオタクのニチャニチャ分析を終えて、タイトルの焦点距離毎に撮れる構図は1~2個しか無いことというポイントに話を戻しましょう。この1~2個というのは、レンズを望遠的に使うのか、広角的に使うのかという考え方をしています。

例えば135mmという焦点距離で見ていくと、最初に使ったサガンの写真は135mmを広角的に使っています。

逆にこういった写真だと望遠的に使っていると言えると思います。


もうちょっとわかりやすいように135mmで同じようなコンディションの写真を持ってくると


こういうことですね。

こういった分類をどう分類するかがそれぞれの味だと思っているのでここで分類を詳しく解説することは無いですが、同じレンズでも情報を削っていく写真も撮れるし、情報を足していく写真も撮れるという一つの例になると思います。

レンズごとにどんな構図が撮れるかというのは各自頑張って探してください。広角は全身、85はバストアップ、135以上は全身、っていうのが僕からのヒントです。焦点距離毎の構図はある意味二次関数に近い曲線を描くようなイメージを持っていつも焦点距離を選んでいます。


また、個人的に前ボケという構図は避けるべき構図だと思っています。どうしても手前にあるものは大きく写りやすく、大きいものほど人の視線を集める効果があるからです。

具体的にこの写真を見ていきましょう。

一見かわいい狐の写真ですが、手前の前ボケがクソ鬱陶しいですね。
塗ってみるとわかるのですが、主題の狐とほぼ同じかそれ以上の面積を占めています。

元々の写真があまり良くないので限界はありますが、トリミングするとこんな感じ。
ぐっと良くなりましたね。

聡明な当ブログ読者の方はこの辺りで気がつくはずです。

「結局全て視線誘導に帰ってくるやんけ」


撮影時にレンズ焦点距離に応じた適切な構図を作ることと、撮影後に不要な余白を切るだけで急に写真がプロっぽくなるという所で今回は終わっておきましょう。次は編集の話かな。

2 件のコメント:

  1. タムのAPSC10-24使ってるけど、ズーム側に回した記憶がレンズ収納時以外殆ど無い、それはこういう事かと納得した
    水族館みたいな前に出れない後ろに下がれない環境だとズームのほうが良さそうですね

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    1. 正にそういう感じです。全く動けない時に最後の手段として使うのがズームという考え方ですね。

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