2012/03/02

ホイール考察は続く…


先日、PAX PROJECTのキクちゃんとヌーボカステ氏と夕飯を食べがてら、彼らのホイール談義を聞いていたのですが、本当にホイールの話は奥が深い…。

色々と聞いて感じた事などを纏めてみました。


・ホイールの組み手の話

一口に「ホイールを組む」と言っても、組み手によってそのプロセスは細かく違ってきます。大きな流れは同じ(仮組み→本組etc)なのですが、工具や細かい馴染み出しの作業などは組み手が持つノウハウ(いわゆる企業秘密の部類に入ります)によって多種多様になってきます。それこそ仮組みの段階から組み手によって変わってくるわけです。

一説に、ホイール組みの腕は「それまでに組んだホイールの合計数」と「直近に組んでいる本数」の2つによって大きく左右されるとも言われます。そういった状況で、個人レベルのユーザーがホイール組みに手を出す必要はあるのかなぁ?という疑問も浮かんできます。例えば、PAX PROJECTのキクちゃんは年間300本近くのホイールを組むそうです。彼の組んだホイールと、年間5本組むか組まないかのアマチュアホイールビルダーが組んだホイールは大きく違うはずです。ホイール組みに関しては、「実用レベルのホイールを組む」という事は、自転車の組み立てとは比べ物にならないほどの精度が要求されると思っています。失敗したり、そのプロセスを楽しむというホームメカニック的な楽しみ方なら問題は無いでしょうが、レースで使うならやはりプロに頼むべきかなぁ?と思っています。

一応、自分もホイールは触りますし、振れた完組みホイールの組み直しはしょっちゅう友達に頼まれてやっていました。自分がその中で積み上げたノウハウ(とも呼べないレベルですがw)もあります。が、プロのホイールビルダーが行なっている作業の緻密性と、使用している工具の精度(値段も)は全く太刀打ち出来ません。自分でヘタに触るよりも、プロに丸投げしたほうが確実だなぁ…と最近は思っていたりもします。

とは言っても、僕は「弄るのが好き」な人なので、結局は自分で触ってしまうんですけどねw。

・ホイールの組み方の話

いつも話をしていて思うのは、キクちゃんは本当に凄く勉強されているなぁ…と。自転車関係の論文はかなり沢山あるそうなんですが、その殆どを持っているのじゃないでしょうか?とりあえず、ホイール組みに関してはかなり理詰めで考えているようです。

正直、ホイールなんてコンピューターで設計された完組みが良いに決まっているんですが、プロを見ても解るようにまだまだ手組みも捨てられないのが現実です。今は無きハイロードは殆どの選手が手組みホイールを使用していました。どこかしら不満のある完組みホイールを使うよりも、全ての素材に理想のパーツを使った手組みホイールのほうが究極のテンション構造のホイールを作る事が出来るのかもしれません。

例えば、カンパのG3スポーキングはフルクラムの2in1と比べると、明らかに空力が良いそうです。Rolfもそうですね。同じリムやハブを使用してもスポーキングや組み手の技量で大きく違ってくるのがホイールです。この辺りの話は非常に面白く、「井上論文」という論文があるそうなのですが現在は公開されておらず、読むことが出来ません。ちなみに、キクちゃんは持っているとか…。読みたい…ぐぬぬ…。→【後日談】実際に入手することが出来、読むことが出来ました。

ネタにされる後輪フルラジアルも悪くは無い。とか色々と興味深いデータがあるようです。個人的には4本取りで綾アリというスポーキングが好きなのですが、そのメリットデメリットなんかも書いてあるそうです。


正直、彼らの話はチンプンカンプンでしたw。一応、一般人よりはホイール組みに関しては知っているつもりですが、ガチで詳しい人達と話をすると全くついていけませんwww。

あと、個人的にホイール組みに関して思う事は、出来ればビルダーと直接やり取りをしたほうが良いな…と。使う自転車も持って行って、一度会えるなら尚更良いと思います。手組みホイールは一つ一つがワンオフの一点モノなので、ビルダーが組む時にユーザーの事をクッキリとイメージ出来る事は大事だと僕は考えています。そうは言っても、よく知っているヘタな人orいまいち知らない上手い人か?と聞かれたら、いまいち知らない上手い人に頼みますがwwww。

一応、僕のマイルールとして、会った事がある人にしかホイール組みは頼みません。これは僕が非常に特殊な体格(小さいが筋肉質)で、なおかつ直接会話することに意義を見出す人間だからです。体格のハンディキャップは無視出来ないのと、メールより電話派だから…と言ったら解りやすいでしょうか?正直、自分でも意味の無いマイルールだなぁ…とは思いますが、今後も守っていくつもりですw。タキザワとかに頼む気にはなれないですねぇ…。自分で組んでも良いんですが、スポーク長計算が面倒なんですよね(白目)そして、仮組みが激しくめんどくさい(;´∀`)仮組みから本組までのプロセスは大好きですよw。

そんな感じで、ホイール組みは難しいなぁ…というお話。組むプロセスも楽しむなら、自分で組むのも良し。性能を求めるならしかるべきプロに頼むが良し。というのが結論ですね。

なんかステマっぽい記事になってますねw

もし、自分の周りに信頼できるホイールビルダーが居ないなら、頼んでみても良いのではないでしょうか?ホイールビルドをウリにするメカニックの組んだホイールは別格ですよ。

NRSのSUPERENVEで感動しましたが、次は PAX CYCLEのオリジナルアルミチューブラー、オリジナルカーボンホイールは乗ってみたいなぁ…と思っています。

あ、一応書いておきますが、買う気も無いのにショップに問い合わせる行為だけは辞めて下さいね。PAX CYCLEしかり、NRSしかり、普通はとてもこなせないような作業量をこなしています。「R500は間引いて使えますか?」とか、とか「クリキンのハブとコスカボのリムをCxRayで組めますか?」、とか「エグザリットリムをカンパのZONDAハブで組みたいんですけど!」など意味不明な質問メールを送るのも辞めてあげてくださいね。そういった変態な質問は僕かカステにしてみてください。無い知恵を絞って精一杯回答するはずですw。

2 件のコメント:

  1. あ、1点だけ補足させてくださいな。
    後輪のフルラジアルなのですが、
    仮の話でAとBとCの3項目でみんなが不安になるAと言う項目のデータはそんなに悪くないのです。
    しかしホイールはAの項目では成り立つわけではなくBやCと言う物と複合的な要素で成り立っています。

    そのBやCの項目がフルラジアルにしてしまうと良くないのでホイールとしては良くないので止めておいた方が良いというのが結論です。(ここが抜けてました。)

    論文のデータはラジアル、4本組、6本組に4本組みは6本組みに対して何%の違いがあると言う統計で載っています。

    ホイール組み基本的には理論があっての組み立てです。
    上手く伝えにくいのですが、うちのホイール組みの作業はメーカーの完組ホイールが行っている事を手作業で行っているって言うのが実情になると思います。

    そうじゃなきゃプレス機なんてホイール組みに必要ありません。(うちでは必須工具)

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    1. おおw本人降臨www

      詳しい説明ありがとうございます。とても解りやすくて助かります。

      プレス機の話…聞くと衝撃を受けますよねw

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