2003年のツールで、ヤン・ウルリヒはチーム・ビアンキ(チーム・コースト)からエントリーした。この年は、マルコ・パンターニのチーム・ビアンキ入りも噂されていたが、結局実現しなかった。
ヤン・ウルリヒといえば、プロレーサーの中でも機材オタクとして知られる。彼の自転車は、ライトウェイトのカーボンホイール、ノコンのアルミアウターなどといったサードパーティ製パーツのオンパレードであった。メカニックが実兄(元々はオートバイのメカ)で、自転車に注文をつけていたことも半ば常識である。
この年、彼は平坦ステージでEV3、山岳ステージでEV4を使用した。
ここで、少々解説しておくと、EV4は超軽量アルミフレームでヒルクライム用(パンターニのEV2の進化バージョン)、EV3はEV4をカーボンバックにしたものである。EV3はパイプも微妙にEV4とは違うようだが、そこまでの明確な説明は無いため、平坦用に乗り心地の良いEV3とヒルクライム用のパキパキとしたアルミフレームEV4という認識で良いのではないかと思う。
彼のバイク構成は
Frame:EV3&EV4
Fork:Bianchi Original
Main Component:Campagnolo Record
Handlebar&STEM:ITM Millenium
Wheels:平坦はマヴィック、山岳はライトウェイト
Saddle:Selle Italia SLR
さらに、山岳用モデルには左(フロント)シフトのみダウンチューブに装着されたダブルレバーでシフトしていた。さらに、ブレーキレバーには当時旧型となったレコードのブラケットに当時の現行レコードのカーボンレバーを組み合わせて使用。後に市販された。この改造は、手のかかりが良い旧型9速レコードのブラケットと10速レコードのレバーには互換性が無いため、市販パーツによる改造は不可能だ。後にウルリヒモデルが市販された、とショップの店長に聞いたが、未だ実物を見たことは無い。
そして、もう一つ特筆すべきセッティングが存在し、雨の日のステージではブレーキレバーを解除(ブレーキとリムの間を広げて)していた。正確に説明すると、雨の日はブレーキシューの減りが早いため、あらかじめブレーキのクイックレリースを解除したまま普通にセッティングをし、シューが磨り減ってきたら間を狭めるという使い方をしていたようだ。
参考までに、http://www.cyclingweb.jp/goodsreview/plan/200308/030352_0819.html
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