2011/12/29

自分で自転車を整備するという事


昨今、個人のブログを見て、見よう見真似で自分の自転車の整備を行い、信じられないような間違いをして解らなくなり、ショップに駆け込むケースが増えているそうだ。



兵庫県西宮の某ショップのメカニシャンの方から聞いた話では、クリンチャー専用の完組みホイールにチューブラーを貼った物を持ち込んだ人もいたとか…。確かに、プロの機材でそういう事を行っているものはあるが、基本的には互換性が無いため、ムチャな改造になる。

意図があって行った改造ならば、「凄い人も居るんだなぁ…」で終わるが、その人は全く訳も解らずにやっていたそうだ。

最近は本当に沢山の情報がインターネットで簡単に手に入る為、そういった情報を応用する事は非常に簡単に見える。自転車ってプラモデル感覚で組めるんじゃないのか?と思う人も居るだろう。

しかし、それは大きく間違っていると思う。

僕も殆どの作業は自分で行ってしまうし、ここ何年もショップに工賃を払って作業を依頼した事は無い。でも、最初からそうでは無かった。自分の家庭は誰も自転車をやっている人間が居なかったので、最初のうちは全ての作業はショップに依頼していたし、その時に払った工賃を合計すると軽く10万以上かかっているはずだ。そうして自分で弄るようになったが、その間には実に2台も弄り壊している。

更に、工具も重要だ。最初は100均の工具で整備をしていたが、すぐに工具もネジも潰れてしまい、段階を経て高い工具に移行した。
一口に高いと言っても、普通なら何万円もするセットをイメージするだろうが、自分は3000円くらいのPB製の六角(アーレンキー)セットを探したり、安くても精度の高い、SIGNETのような工具を探してチマチマと買い揃えてきた。

参考までに、アーレンキーとドライバーはPB製、ラジオペンチとペンチは30年くらい前のアウディの車載工具でイタリア製の物、自転車専用工具は使用頻度に合わせて高い物と安い物を組み合わせて使っている。

もし、100均の工具で自転車を整備しようとしている人がいたら、それは安全面でも金銭的にも取り返しのつかない事になるため、すぐに辞めて欲しい。

最近はネットの情報のみを鵜呑みにして、「作業は簡単だった」と書いてあったからやってみたら失敗した。という人が多いように感じる。しかし、そういった作業をブログに載せる事が出来るのは、相当に手慣れており、今までに授業料を払ってきている人達だろう。

いきなり自分で全部やってみるのではなく、自転車屋さんに教えて貰うなど、段階を経て整備を覚えていったほうが良いと思う。

そして、整備に慣れてきたな。と感じるようになったら、一度プロに見て貰う事も重要だ。やはり腕の良い自転車屋さんの触った自転車は素晴らしいフィーリングになる。例えば、単純に変速するという点では素人が組んでもプロが組んでも同じかもしれないが、プロの組んだバイクは全然違う。自分で殆どの作業をしてしまうようになった今も、大事なレース前だけは調整をプロにお願いしている。

信頼出来るプロが身近に居なければ、ちょっと遠くまで行っても良いだろう。もしくは、遠方のショップに自転車を宅急便で送って整備してもらうという手もある。

そういった試行錯誤を繰り返して自転車整備の腕は向上していく。整備不良の自転車は大きな事故を誘発する危険性もある。自分の為にも整備を軽視しないで欲しいと思う。

2 件のコメント:

  1. 「クリンチャー専用の完組みホイールにチューブラーを貼った物を持ち込んだ人」僕も遭遇した事がありますww
    探せば、まだまだいそうですねwww

    工賃の意味や価値を理解してくれる人って、なかなかいないんですよね。こういう記事を読むと心が温まります。

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  2. >>ゼインさん
    世の中には凄い人が沢山居るようですねw

    肯定的な意見、ありがとうございます。
    工賃の意味や価値って必ずしも理解されないですが、もっと理解してくれる人が増えると良いですねb

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